西九州一周自転車ツーリング



 人間が10日間で九州一周走れるのだから、自転車で走れないはずはない。そんな実に安易な思いつきがこのプロジェクトの始まりでした。しかし九州を一周するとなると、まとまった休みが必要だし、第一体力的にもつのかどうか自信がない。そこで、小刻みに攻めていく作戦に変更。まずは、福岡、佐賀、長崎、熊本制覇を目指すことにした。以下は、出発前にたてた計画。

<初日(8月12日)>
 自宅を出て国道202号に乗る。ただひたすら西へ。佐賀県伊万里で204号に乗りかえ北松浦半島へ。長崎県松浦市が本日のゴール。104q。

<2日目(8月13日)>
 国道204号線を北上。平戸島を向かいに見るところで南下。どんどん南下。佐世保で202号に乗り西彼杵半島へ。ここで国道206号に乗る(202号はトンネルがあり危険)。206号をただひたすら南下。長崎市が本日のゴール。105.5q。

<3日目(8月14日)>
 長崎市から国道206号を北上。時津町で207号に乗る。東に走り諫早へ。諫早で57号に乗り島原半島へ。愛野で251号に乗り時計回りに半島を進む。島原を超えて南下。口之津で島鉄フェリーに乗り熊本県天草市へ。ここが本日のゴール。足が残っていれば、ロザリオライン、サンセットラインを走ってみようと思う。108.5q。

<4日目(8月15日)>
 324号に乗り熊本市内を目指す。天草パールラインを越え宇土市に入ったところで57号に乗りかえる(トンネルを避けるため)。国道3号線に乗り北上。植木町が本日のゴール。99.7q。

<最終日(8月16日)>
 国道3号をただひたすら北上、福岡市を目指す。99q。

初日(8月12日) 自宅(福岡市)〜長崎県松浦市

自転車はMERIDAのMTB(マウンテンバイク)。2001年モデルで部品がかなり劣化しているらしいが、何とかなるだろうと判断。このような安易な考えが致命傷となりかねないことを、後ほど実感する。ボトル、空気入れ、予備のチューブ、バンク修理道具、着替えなどをデイパックに詰め込んで9時に自宅を出る。このデイパックという選択も間違っていた。


国道202号線をひたすら西に進む。こぎ出しをスローペースで入ったためか、順調に県境を越える。楽勝ムードである。


快晴のため熱中症予防には特に気を遣う。こまめに水分を補給する。沿道の自動販売機やコンビニをありがたく感じる。12時15分に佐賀県唐津市に到着。虹ノ松原でからつバーガー(スペシャルバーガー380円)を頬ばる。日頃はコーラなど飲まないが、こうした消耗の激しいときには即効のエネルギー源となる。唐津城に軽く挨拶して伊万里を目指す。


伊万里で202号から204号に乗り換え、いよいよ長崎県松浦市へ。長崎県に入った途端、激しいアップダウンが待ち受けていた。明日、明後日が心配である。松浦は、平安時代から戦国時代にかけ活躍した武士団「松浦党」発祥の地、らしい。




この日の晩ご飯は、鯵の食べ尽くし。残さず頂いた。

本日の平均速度19.7q、最高速度53.0q、走行距離107.79q。ほとんど予定どおりの走行であった。明日は長崎市まで。
2日目(8月13日) 松浦市〜長崎市

7時に朝食をとり8時に長崎市を目指して出発。激しい運動の後に度々経験することだけど、昨晩はまったく眠れなかった。激しい起伏の予想されるコースだけに、本日の走りが心配である。松浦市街から平戸大橋の見える田平まではわずか15qほどであるが、起伏の多さにすでに余裕をなくす。11時30分に佐世保を通過、西海橋を超えて西彼杵半島を目指す。写真右は、西海橋手前の高台からの光景。自転車でなければ、どんなに美しいと感じることだろうか。そして、この直後にアクシデント発生。


西海橋の手前で後輪がパンク。ガラスか石を踏んだようだ。下りは腰を浮かせて道路の凹凸の衝撃を車体に直接伝えないような乗り方をするのだけれど、疲労のためサドルにベッタリと腰を下ろしていた。疲労がよんだパンクといえなくもない。MTBでのパンクは、初の経験である。このような状況のときに「初物」は遠慮したかったのだが・・・。後輪をはずし、予備のチューブと入れ替える。作業自体はたいしたことなかったが、腕や手、指先にも疲労が来ており、タイヤを外すにも力が出ないのにはまいった。ポンプで空気を充填し、再出発。恨みの西海橋となる。




西海橋をすぎたあたりの絶景、のはずだが・・・。

17時長崎着。本日の平均速度19.6q、最高速度50.5q、走行距離131.22q。このコースは出発前105.5qと計算していただけに疲れた。完全に計測ミスである。ホテルで、パンクしたチューブにパッチをあて次のアクシデントに備える。明日は熊本県天草市まで。
3日目(8月14日) 長崎市〜熊本県天草市

7時30分に宿を出る。上り下りを避けるために、海岸沿いの国道207号線を走ることにした。ところが、この道も容易ではなかった。写真左は国道からの風景。海岸線とはいえ、平坦ではなかった。諫早に着く時点で全身に疲労感を覚える。水分とエネルギーの補給を積極的におこなった結果疲労は多少緩和されるものの、今度はデイパックの重さが腰にこたえ出す。自転車ツーリングにデイパックは向かないという記事を読んでいたにもかかわらず、予算削減から無視した結果の痛みだ。後悔するが、すでに遅い。諫早を経ていよいよ島原半島へ。この区間は平坦であったが、観光の車がはき出す排ガスと熱風に閉口する。サッカーの街国見を通過。


雲仙普賢岳。十数年前の災害の記憶がよみがえる。


島原を経て、251号線をどんどん南下。天草までのフェリーが出ている口之津を目指す。16時20分、口之津到着。ほぼ同時のタイミングで船が入港する。サイクルパンツのままで乗船するが、激しい疲労のため恥ずかしいなどとは思わない。


島鉄フェリーで天草へ。船上での30分間は、良いリカバリーの時間となった。港から宿までの10qは、気分的にも体力的にもだいぶ楽であった。

昨日に続き、本日も130q以上を走った。事前の計算では、このコースは108.5q。またしても計測ミスであった。疲労のあまり声も出ない有様だ。本日の平均速度19.5q、最高速度53.5q、走行距離135.13q。明日は熊本県植木町まで。


4日目(8月15日) 天草市〜熊本県植木町

朝から小泉首相の靖国参拝で大騒動の中、8時に出発。ところで、昨日あたりから手が変。小指が他の指とくっつかない。指にまったく力が入らず、お箸を操作するのに大変な努力を要する。すくった水が指の間からこぼれて、顔も洗えない。一日数時間もハンドルを握りしめ、何百回もギアのシフトをおこなうと、こういうことになるのか。昔、林業関係者の間で問題となった「白蝋病」を思い出す。


天草パールライン。右は、天草五橋第3号橋。天草五橋越えは相当なアップダウンを覚悟していたが、思ったほどではなかった。


天草四郎メモリアル(左)と、天草五橋第1号橋(右)。これを下ると、宇土市までは海岸沿いのフラットなコース。時速30キロ近くでグングン進んだ。だが、熊本に入った頃から急に足が重くなる。この日の熊本地方の最高気温36度。暑さにやられた。ようやく、16時ホテル着。本日の平均速度20.0q、最高速度46.5q、走行距離107.66q。明日はいよいよ最終日。


最終目(8月16日) 植木町〜自宅

7時30分出発。県境の登りは大変だったが、比較的走りやすかった。今日も終盤は暑さでヘロヘロ。14時40分自宅着。

この日、ついにデイパックによる腰の痛みが限界に達した。何か手はないものかとしばらく思案した結果が、これ。バッグの肩ひもの部分を上下に切り離し、下の部分を自転車のサドルに結びつけ(左)、上の方を腰のあたりで左右結んでみた。ペダリングのロスを感じるものの、痛いよりはマシだ。これで多少は楽になったが、デイパックは本当に失敗であった。以後の教訓としよう。

本日の平均速度20.0q、最高速度43.5q、走行距離103.39q。